概要編、分解編とお届けしてきて、ドリキャスとほとんど同じ構成と紹介してきた「fish life」ですが、独自の部分もあります。
fish life専用基板
この基板がドリキャスにはない「fish life」独自のものになります。とはいえ機能としてはコントローラー制御、VGAボックス、イヤホン・マイクジャックを一つにまとめたものになります。
各コネクタ部分は以下の通りです。
- CN1:コントローラー制御用 → ドリキャスのマザーボードと接続
- CN2:空冷ファン用 → 本体横のファンに接続
- CN3:映像・音声用 → ドリキャスのマザーボードの映像音声端子と接続
- CN4:シリアル端子用 → ドリキャスのマザーボードのシリアル端子と接続
- CN5:シリアル端子用 → 背面のシリアル端子
- CN6:VGA(D-Sub15)用 → 背面のVGA端子
- CN7:ステレオジャック用 → 背面のステレオ出力用
- CN8:コントローラー制御用 → fish life専用の入力デバイス(後述)と接続
- CN9:コンポジット用 → 背面のコンポジット出力用
- CN10:S映像用 → 背面のS映像出力用
- CN11:マイクジャック → 背面のマイク音声入力用
- CN12:ビジュアルメモリ用 → ビジュアルメモリ接続
- CN13:LED用 → 本体正面のLED用
- CN14:謎 → ドリキャスのマザーボードの背面と接続
CN14は接続してもしなくても変化ありませんでした。そのほかいくつかジャンパーピンがありましたが、こちらも効果は不明です。ちらりと写っているリチウム電池はドリキャス同様の効果です。
「fish life」のソフトに保存機能があるのかはわかりませんが、この基板にはビジュアルメモリを接続する箇所があります。
なお、矢印で示した出っ張りが引っかかるため、そのままではビジュアルメモリを挿すことはできません。
そのため、分解して裸にする必要があります。出っ張り部分は、実はビジュアルメモリとともにネジ留めするための箇所だったようです。
こちらは本体背面に露出していた部分。
左から、マイク、ステレオジャック、S映像端子、コンポジット端子、ビデオモード切替スイッチ、VGA(D-Sub15)端子、シリアル(D-sub9)端子です。「fish life」自体はタッチパネルでの操作ということもあったので、シリアル端子はタッチ操作の制御に使っていたと思われます。
こちらがCN8に接続する「fish life」標準の入力デバイスです。上下左右、設定(Start)、ABのみ。
フロントカバーにある謎の穴の正体
「fish life」の正面のカバーは二重になっています。
中面になるカバー(写真下段)には四角の穴が2つ開いています。最初は何かと思っていましたが、この穴の間隔をどこかで見たことあるなと。
そうです。これです。コントローラーを挿すコネクタ部分です。
ピッタリです。ネジ穴もありましたが完全に一致しました。
「fish life」には搭載されていませんが、標準コネクタも使えるよう想定はされていたみたいですね。
「fish life」総括
- 中身はもちろん、機能的にもドリキャスそのもの
- リージョンは日本
- MIL-CD対応
サイズの大きいドリームキャスト、と考えると簡単かもしれませんね。
対応ソフトと対応ディスプレイが揃うことで初めて「fish life」として完成するものになりますが、なかなかハードルが高いかもしれません。
シリアル端子のd-sub化、VGA端子、S端子があったとしても、中身はドリキャスであることを考えると、やはり49万8,000円という額は高いと思ってしまいますね…。
ちなみに2017年6月28日、ヤフオクでは本体、対応ディスプレイ、ソフトセットで137,500円で終了*1しておりました。
また、ebayでは$25,000で出品*2されております。写真を見たところ、ヤフオクのと同じようにも見えますが。
「fish life」については業務用ということもあり、情報がそれほど多くありません。海外では同じような外観の別機種の存在が確認されています。
www.thedreamcastjunkyard.co.uk
こちらは横向きにトレイが排出されるタイプですね。
構成に違いはありますが、見たところ機能的にはほぼ同じもののようです。モデムが付いていなかったり、ビジュアルメモリ端子にマイクデバイスが接続されていたりしていることを考えると、自分の持っている方が後期型の可能性があります。
おまけ:動作映像
※本体背面の映像・音声が正常に出力されていないようなので、別途マザーボードから直接映像引っ張ってVGA化してます。音声は接続していないため鳴りません。
fish life本体(≒ドリームキャスト)の起動の様子。
— ぽめ (@pomegd) 2016年6月18日
何も操作しないと「ファイル」→「プレイ」→決定ボタン、と自動でゲーム起動しようとします。
音は繋げてないので鳴りません。#dreamcast #fishlife pic.twitter.com/THLUXJRRmD
動画140秒までできるようになったので撮り直してみました#dreamcast #fishlife pic.twitter.com/lAtcVOKhdE
— ぽめ (@pomegd) 2016年7月9日
背面にあるボタン操作ではA,B,START,十字キーのみ。
— ぽめ (@pomegd) 2016年7月9日
ドリキャスのを流用すれば普通のコントローラーも使えます#dreamcast #fishlife pic.twitter.com/ORM9aAXb4Z