はじまりはビープ音

ドリームキャストのことを中心にゲーム関係の気になったことを書いていくつもりです。

「ソニックフロンティア」トロコンしたので感じたことを書いてみる

ストーリーについては具体的なネタバレはしない形で書いていきます。

1周クリア時の状態

  • トロフィーコンプリート(レベルMAX、メイン・サブ全シナリオコンプなど)
  • マップ上のメモリーアイテム全コンプ
  • 難易度スリル
  • 釣り全マップ全コンプ
  • 音声ダイアリーコンプ
  • ポータルのミッションオールクリア

ストーリー

島の探索→ボス戦→次の島へ、それぞれの島にある古代遺跡や文明の謎を紐解いていくことで、スターフォール諸島の歴史や謎の生物・ココの正体、謎の少女・セージの目的、そしてカオスエメラルドの秘密などが明らかになっていきます。島の探索自体楽しいのもありますが、一つ一つの謎を解いていくのがプレイヤーとソニックが同じ立場になるので、プレイヤーがソニックとなってゲームの世界に入っている感じ(没入感?)もあり全体を通して楽しめました。

序盤の導入部分に比べて、島の謎やセージの目的が明らかになる辺りの終盤の展開が少々飛ばしすぎな感じはしました。サブシナリオやエッグマンが残した音声ダイアリーによって補完される部分はあるものの、規模が大きな話だけに若干の消化不良感は否めません。

一方でソニックと仲間たちの信頼関係を始め、常に相手に弱いところを見せようとせず気丈に振る舞うソニック、テイルスの葛藤、エッグマンが終盤にかけて芽生えた感情など個々のキャラクターに焦点を当てた描写は必見です。

その他にも過去作をプレイした人なら気付くワードなども出てくるので、ちょっと昔を懐かしめます。

キャラクター

前作「ソニックフォース」をプレイした際に思ったのが“キャラクターが多い”でした。というのも「ソニックアドベンチャー2」以降をプレイしていなかったので、なんとなく見たことあっても知らないキャラが多く、それらがメインストーリーに関わって描かれていたのでどういう関係性かもわからない状態で置いてきぼりでした。

一方で本作において登場する主要キャラは、すでに2D時代のシリーズで関係性が確立しているソニック、エミー、テイルス、ナックルズ、エッグマン、そして新規のセージだけだったので、関係性を考える必要もなくすんなり馴染むことができました。

ただ、敵対しているエッグマンが今回は“ザ・悪者”感が薄く、終盤におけるソニックとの展開が若干強引な感じがします。

今回チャオに代わる(?)サブキャラとして謎の生物・ココが登場します。初見のときは正直微妙だな、という感じでしたが、プレイしていると様々な表情や声を発している姿を見ることができ、いつしか可愛く感じ始めている自分がいました。

オープンゾーン・電脳空間

本作で遊べるパートとしては島々の探索ができるオープンゾーン、そのオープンゾーンから入ることができる電脳空間の大きく2つに分かれています。いわゆるオープンワールドが本作では「オープンゾーン」として呼ばれるもので、電脳空間は固有のアクションステージのことを指します。

オープンゾーン

広大な空間を自由気ままに動き回れるのは、ソニックを動かしていて一番楽しい瞬間かもしれません。ただ、非常に広大なマップなだけではなく、地形には高低差があるため目的の場所へ行くのもソニックといえども少々時間がかかります。加えて最初からマップの全ての情報が見えるわけではないので迷うこともあるかもしれません。しかし、それらは初めて訪れた島を探索していくソニックとしては自然なものではあるので、設定としても違和感はありません。なお、マップは特定のギミックを解いていくことで徐々に表示範囲が広がっていきます。なぜそうなっているのか、についても物語で明らかになります。

ザコ敵や中ボスなどもフィールド上に点在しますが、物語を進めるうえで戦闘は(一部を除き)必須ではありません。アイテムやスキルポイントを稼ぐ場合は戦った方が効率的ですが、無理に戦う必要がないので面倒だったり苦手な人でも一応安心です。

少々煩わしさを感じたところとしては、フィールド上に強制的に2Dに切り替わるギミック(場面)が存在する部分。ダッシュパネルやスプリングに触れると移行するように設定されている場面がありますが、3Dの自由度から突然2D仕様に狭まるので邪魔された感があります。アイテムを取るために必然的にそうなっているとわかってはいますが。

電脳空間

各ステージはだいたい1分から長くて4分程度でクリアできるものがほとんど。その短い時間の中でも多くのギミックや演出が施されており、タイムアタックのために何度プレイしていても飽きが来ない。本来用意されたルートとは異なるルートを探していくのも非常に楽しいです。

どこかで見たことあるステージ構成やオブジェクトなど、過去作をプレイした人はニヤリとしてしまうステージなどもあると思います。現に1-7を初めて見たときは思わず「おおおぉぉぉぉぉぉ」と感動してしまいました。

理不尽なカメラワークによって難易度が上がっている部分もあるのはシリーズお馴染みといったところでしょうか。

ホーミングをブーストでキャンセルするとブースト以上の超速移動ができてしまいますが、場面によってゲームバランス破壊するので基本的にやらない方が良いと思います。

バトル

アクション

基本的に攻撃ボタン連打でコンボが発動してくれるので、お手軽に爽快感あるアクションが楽しめます。しかしコマンドの都合上、技の暴発が起こりやすい気がします。

ザコ敵・中ボス

初見では倒し方がわからない敵もいるので少々苦戦しました。しかし、どうすれば攻撃が有効なのかを色々と考えるのも楽しいです。ヒントも用意はされているので倒し方がわからず歯が立たない、ということにはならなそう。

中ボスのなかには超巨大なものも存在するけど、戦ってみたら大きさに反してそんなに強くなかった、というものもいるので若干の拍子抜けはしてしまいました。

ボス

とにかくデカくて迫力満点です。そのうえ機動力もかなりのもの。通常のアクションとは異なる形での戦闘となるため、若干戸惑う部分はあるかもしれません。ラスボス戦までリングレベル1(本作におけるライフ代わり)のままで進めていたので、ちょっと苦戦した場面もありましたが、攻略の糸口さえわかれば頑張ってクリアしようと思える難易度だと思います。

真ボス

難易度スリルにすることで真ボス戦に挑めますが、ソニックのゲームとしてそれが真ボスとの戦い方(あえて書かない)で良いのかはちょっと疑問です。なんとなく「セガガガ」「式神の城2」を思い出しました。

ミニゲーム

釣り

各島ごとに釣れる魚の種類は異なりますが、遊んでた感じだと釣れる順番は決まっているっぽくランダム性がなさそうでした。音声ダイアリーやレベルアップ用アイテム入手のためにプレイが必要になってきますが、ボタン1個で遊べるくらい難易度は低く単調なので遊びごたえとしてはそんなにないかもしれません。

ピンボール

難易度は非常に高いと思います。ノルマとなる得点を目指すものとなりますが、レッドスターリングを取ることで獲得倍率が上がるものの、ボールを落としてしまうと倍率リセット。割と頻繁に両サイドから落ちてしまううえに、ピンボールゲームでよくある台揺らしがないため、対処のしようがありません。ノルマの得点も結構高いため、ここで躓く人は多いかもしれません。

シューティング

意表を突くかのように「斑鳩」を彷彿とさせる弾幕系シューティングが始まります。「ニーアオートマタ」か。そこまで難易度は高くないかもしれませんが、不慣れな人には難しいのかも。スリル以外の難易度で遊べば難易度も変わるのかな?

システム周り

マップ

本作では常時表示されるマップが存在しないため、自分の居場所や行きたい場所を確認するために都度マップ画面を開く必要があります。マークアップすることで目的地へ行きやすくなりますが、それでも周辺の情報をマップとして常時見られるようにはしてほしかったかなと。また、ミニマップがないためマップを開く頻度が多くなると思いますが、その度にBGMが止まってしまうのが非常に残念でした。

カメラワーク

オープンゾーンでも場面によって固定化されることがあるのがちょっと残念。カメラの画角や距離など設定可能なので酔いやすい人は調整してみると良いかも。

ロード画面

オープンゾーンと電脳空間を行き来する際のロード中にチュートリアル的な練習ができますが、マニュアル読まない人(私です)は、ここで知るコマンドがあったりします。ロード完了後も練習は続けられますが、ロードしていたこと忘れるような作りになってると思います。あと単純にゲーム全体としてロードは気になるような長さではないです。

表示の優先順位?

オープンゾーンで特に高低差のある場所において、上空に足場があるにも関わらず表示されない場合があり、メモリーアイテムの回収ルートで迷う場面が何箇所かありました。描画処理の都合上、左右前後の表示を優先し上下の優先度(特に上)を下げているのかなと思いますが、機種によってこの辺りは異なるのかもしれません。

やり込み要素

実績解除だけでなく、タイムアタックやミッションクリア系が用意されているので、それだけでも十分やりごたえはあると思います。

他にも島に点在するメモリーアイテムの回収や釣りコンプ、レベル上げない縛りプレイなど、いろんな遊び方ができると思うので、まだまだ遊べそうです。そうじゃなくても島探索で走り回っているだけでも楽しいんですけどね。

その他

ソニックの立ちモーション

物語の進行に合わせてソニックの立ちモーションが変わります。物語とリンクしたソニックの状態がわかりやすく現れているのがグッド。

BGM

雄大大自然をイメージしたようなゆったりとしたサウンド、古代の遺跡や文明を想起させる民族楽器を使ったサウンドソニックのアクションに負けず劣らずの激しいロックサウンドなど、ゲームを盛り上げる要素としては十分なものに仕上がっていると思います。ロックに関しては軽快なロックチューンというよりは重厚なロックといった感じですかね。

超高層の場面

かなり高度な場所へ行かなければいけない場面がありますが、高所恐怖症ではない自分でもちょっとゾクゾクしました。

リングの存在価値

本作ではリングがソニックの残り体力のような役割を果たすことになりますが、サイループと呼ばれるスキルによってリングを自家発電的に増殖することができるので、オープンゾーンに散らばるリングの存在価値があまりないように思いました。

スピード、リング上限レベルアップが面倒

迷子のココを集めることでスピードとリングの上限レベルを上げることができますが、1回の会話につきスピードかリングかを選択し1個しかレベルを上げることができず、まとめてレベル上げることができません。レベル99までアップさせるための会話の作業が非常に面倒でした。

スクショ用機能

これだけ綺麗な大自然を動き回れるのにスクショ用の機能がないのがもったいなく思いました。

まとめ

主に良かったところ
  • 自由に駆け回るソニックの世界観を十分に表現
  • アクションの爽快感
  • 主要キャラにスポットを当てて描かれるシーン
  • 程よい難易度とボリューム感
  • 懐かしさを感じる要素の数々
主に良くなかったところ
  • 真ボスのバトル(悪いとは言わないが)
  • ミニマップがない&マップ開くとBGMが止まる
  • ピンボールの難易度
  • スピードとリング上限のレベル上げ
総評

概ね満足というか、不満点より良かったと思う部分の方が圧倒的に勝つと思います。「ソニックアドベンチャー」を初めてプレイして自由に動き回れるソニックに感動していたときのことを思い出しました。その時の自由度が大幅に広がり、よりソニックの世界観を体現したゲームだと思います。いわば「ソニックアドベンチャー3」的な。いや、ほんとに正当進化系かなと。

そんなわけで「ソニックフロンティア」、楽しいです。

Appendix

ソニックフロンティアについて

sonic.sega.jp

初出しはソニック30周年の一環として2021年5月28日に配信された「Sonic Central」。その中でソニックシリーズの新作映像が公開。

その後同年12月10日に正式に「ソニックフロンティア」を発表。

広大なフィールドや巨大な敵の存在が確認され、この時点でオープンワールドになりそうだ、と感じた人が多かったかと思います。そして同時に「ソニックアドベンチャー」を思い浮かべた人もいたのではないでしょうか。正直期待しかなかったですし、その期待を裏切らない内容になっていました。