トヨタの自動車「WiLL Vi」のプレゼンツールとして配布されたドリームキャスト用の非売品GD-ROM「ALABAMA meets WiLL Vi」についてです。
動作映像
「WiLL」「WiLL Vi」とは
まずソフトの紹介の前に「WiLL」「WiLL Vi」について。
WiLL(ウィル)は、1999年8月2日から2004年7月にかけて行われた日本の異業種による合同プロジェクト名である。商品の全てが「WiLL」のブランド名とオレンジ色のロゴで統一されていた。
このプロジェクトは花王、トヨタ自動車、アサヒビール、松下電器産業(現パナソニック)、近畿日本ツーリストの5社で開始され、その後2000年3月にコクヨ、同年6月に江崎グリコが参入した(その後、アサヒビール・花王は2002年7月にプロジェクトを脱退)。
WiLL (異業種合同プロジェクト) - Wikipedia
現在では各社ともプロジェクト脱退しているため明確な展開はされていないようですが、コクヨのみが「WiLL」の名を冠した商品展開をしています。
そんなWiLLプロジェクトのなかで生まれたのがトヨタの自動車「WiLL Vi」。読み方は「ウィル ヴイアイ」。20代~30代(特に女性)をターゲットとしていたようですが、割と短命に終わってしまったようです。
スペックや当時のカタログ、ニュースリリースなどは今もトヨタのサイトに掲載されています。
「ALABAMA meets WiLL Vi」とは
そのトヨタの自動車「WiLL Vi」のプロモーションの一環で制作されたのがこのソフト。PC、ドリキャス、プレステ向けに制作されたカタログ的ソフトです。
当時の入手経路としては、第33回東京モーターショーや展示イベントでの配布、ディーラーでの配布、抽選でプレゼントなどいくつかあったと言われています。
複数ある配布形態のうち確定情報としては電話、またはwebサイトでアンケートに答えることで、先着2万名にプレゼントという配布形式が存在したということ。本ソフトが世に出回った数はわかりませんが、最低でもPC、ドリキャス、プレステ合計で2万枚は用意されていたことがわかっています。
具体的な中身についてですが、ゲーム、カタログ、ムービー、と大きく3つのモードが収録されています。
GAME:I'm ALABAMA wanna be happy?
どこにでもいる普通のOL・アラバマ26歳が主人公。ある日インターネットで一目惚れした車を購入するところから物語はスタート。車が届き早速ドライブに出たものの不思議な世界に迷い込んでしまいます。
道中に簡易的なミニゲームがありますが、それらをクリアして元の世界に戻ることを目指す物語になっています。
クリア後には唐突に心理分析が行われます。車の運転に関係することかと思いきや、自分でも気づかない“隠れた欲求”がわかるらしい…。
ちなみにフルボイス。
Catalog:WiLL Vi Show!
自動車の内装、ドアなど可動部分の動作、海辺や街中の走行シーンをCGで見ることができます。また、スペックや簡単な用語説明も用意されています。
Movie:WiLL Vi ~THE MOVIE~
東京モーターショーで上映されたCGムービーです。映像内に出てくる女性はゲームパートに出てくる女性と同じアラバマだそうです。
余談
2000年9月21日にこのアラバマが主人公のゲーム「ポップでキュートな心理テスト アラバマ」がプレステで販売されています。
こちらは「ALABAMA meets WiLL Vi」に収録の「I'm ALABAMA wanna be happy?」と同じ世界観をベースにした心理テスト・ミニゲーム集。アラバマを始めとした登場キャラクターが共通しているほか、WiLL Viも登場しているようです。