当時としては革新的だったネット接続環境(モデム)を標準搭載したドリームキャスト。あれから20年以上経ち、ドリキャス用の各種ネットサービスも当然終了しているわけですが、海外有志によってRaspberry Piとドリキャス標準搭載のモデムを活用して今でもオンライン機能を楽しむことができるとのことで試してみました。自己責任。
DreamPiとは
ドリームキャストのモデム接続をRaspberry Piを使うことでLAN経由でネット接続を可能にしたものです。また、ネット接続するだけでなく、すでに終了しているドリキャスのオンラインサービスを復元し、ドリキャス用webコンテンツへのアクセスやオンライン対戦を実現可能にしています。ただし、すべてのオンラインサービスが復元されているわけではなく、DreamPiで対応しているタイトルに限ります。
実は現在でもDreamPiを使用せずとも公式な方法でダイヤルアップ接続や、ブロードバンドアダプタ(BbA)を使用することでネット接続は可能です。しかし、ダイヤルアップ接続で使用するには別途プロバイダとの契約が必要だったり、接続時間に応じて電話料金が高く付いたり、BbAにしてもそもそも高騰化しており入手が難しいという問題があります。
それらの問題を解決してネット接続できるうえに、終了したオンライン機能を再び楽しめる、それがDreamPiです。当然ですが非公式のものです。
準備するもの
揃えるのが面倒と思ってしまいますが、揃ってしまえば割と簡単でした。
- ドリームキャスト
- ドリームパスポート(3で確認)
- Raspberry Pi(3 Model Bで確認)
- SD/microSDカード(Raspberry Pi用)
- DreamPiのイメージデータ(執筆時1.7が最新)
- Linux対応USBモデム(推奨はDell NW147。Lenovo RD02-D400で確認)
- モジュラーケーブル2本
- 5Vto9V昇圧のUSB電源ケーブル、または9Vバッテリー(&バッテリースナップ)
- dreampi_modem_pcb
通常のRaspberry Pi用のイメージ同様にダウンロードしたDreamPiのイメージをmicroSDに書き込みます。書き込んだらRaspberry Piにセット。
「dreampi_modem_pcb」は自作基板です。回路図はこんな感じです。超適当だし間違ってるかも。モジュラーケーブル切断して空中配線とかでも可能ですが、そういう加工なしで使えるパーツ作ってみました。ジャックのサイズは外径5.5mm、内径2.1mm、センタープラスです。そのうちBOOTHに出すかも。
Raspberry Pi側の設定
有線LANで使用する場合
特に設定は必要ありません。LANケーブルとルーターを接続します。
Wi-Fiで使用する場合
使用するRaspberry PiがWi-Fiに対応している場合、ドリキャスでもRaspberry Pi経由でWi-Fiを使ってインターネット接続が可能になります。通常のRasspberry Pi同様に「wpa_supplicant.conf」を編集することで使用可能になります。
なお、DreamPiのバージョン1.7未満の場合は別途設定が必要になるので最新版のDreamPiのイメージを使用します。
また、DreamPiに限らず、Raspberry Pi3までのモデルは5GHz帯のWi-Fiには対応していないため、2.4GHz帯のWi-Fiを利用する必要があります。
ドリームキャスト側の設定
今回はドリームパスポート3を使って設定しました。他のバージョンで設定できるかは未確認です。また、あらかじめネットワーク情報が本体に保存されている必要があります。保存されていない場合は「ネットワーク情報未登録の場合」をご参照ください。
ネットワーク情報登録済みの場合
準備するもの
手順
オプションを開き「ネットワーク情報」を選択。
「プロバイダー」を「ユーザー」に、「情報設定」を「ユーザー」に設定してAボタン。電話番号1に「1111111」と入力して「すすむ」。ログインIDとログインパスワードを入力して「すすむ」。なお、このIDとパスワードは適当で大丈夫です。
それ以降は特に変更せず「すすむ」。
「情報を記録 パスワードも記録」を選択。「本体に記録しました」 と表示されたら「すすむ」→「決定」を選択し「セーブする」。
ネットワーク情報未登録の場合
DreamPiを使用するにはインターネットの接続情報がドリキャス本体に保存されている必要があります。新品のままの状態であったり、中古でも初期化してしまった場合は接続情報が消えており、DreamPiをスムーズに利用することができません。
この接続情報、当時は初期設定時のインターネット接続により登録できましたが、今はその接続自体ができない状態なので通常の方法では登録することができません。一応方法はあるもののBbA付属のブロードバンドパスポートなどが必要になります。
なお、ブロードバンドパスポート持ってないという場合は、海外版ドリパスの「PlanetWeb」などでも設定は可能なようです。海外版ソフトなのでどのみち入手しづらいですが。
準備するもの
- ブロードバンドパスポート(BbA同梱のディスク)
- ドリームパスポート3.15内蔵ソフト(単体のドリパス3では不可)
手順1.ブロードバンドアダプタで設定
ブロードバンドアダプタを起動させ、「オプション」を選択。オプション設定から「プロバイダー」を選択。
いくつか ネットワーク情報の設定が続くが、いずれも特に変更せずに「すすむ」。
ネットワーク情報の記録の画面になったら一番左の「情報を記録」を選択。「本体に記録しました」 と表示されたら「すすむ」→「設定終了」を選択し手順2へ。
手順2.ドリームパスポート3.15内蔵ソフトで設定
ドリームパスポート3.15とは2001年頃以降に発売されたソフトに収録されているドリームパスポートです。今回は「Crazy Taxi2」で確認できました。
手順1で設定を終えているとインターネットの項目が選択できるようになっているので選択。設定内容は登録済みのものと同じなので割愛。
インターネットに接続
Raspberry Piとドリキャスを接続
Raspberry Piとドリキャス側の設定を一通り終えたらあとは必要なものを取り付けるだけです。
Raspberry PiにUSBモデムを取り付け、モジュラーケーブルを自作基板に繋ぎ、ドリキャスのモデムポートと接続。自作基板に9Vの入力も忘れずに。Raspberry Piの電源(microUSB)を入れてUSBモデムのLEDが両方とも点灯したら準備完了です。
今回の場合、Raspberry PiのUSB経由で5Vから9Vに昇圧できるものを使用しましたが、9Vの電池でも機能します。
ドリームキャストでインターネット接続
あとは適当に「ジャンプ」などからネット接続を開始。各種設定や接続に問題がなければ成功してページが開きます。
なお、時の流れとともにHTML、CSS、JavaScript、SSLの仕様変更が行われていますが、ドリームキャストのブラウザ仕様は当時のままのため開けるサイトはそう多くはありません。
接続できない場合
何らかの理由でうまく接続できない場合はトラブルシューティングをご確認ください。
ネット対戦を楽しむ
無事にインターネット接続が完了したらネット対戦も可能になります。ただし、冒頭でも述べたように対応しているのは一部のタイトルのみです。対応タイトルは下記サイトをご確認ください。タイトルによっては一手間必要になるものもあります。ネット対戦についてはまた別で記事にするかも。
なお、下記サイトでは誰が何をプレイしているのか表示されるので、どのタイトルで遊ぶかの参考にしてみても良いと思います。ただ、人数はそこまで多くなく、いたとしても海外ユーザーがほとんどです。
最後に
そんなわけでDreamPi、物さえ揃えばホント簡単にネット接続できます。 あとはユーザーが増えてネット対戦が盛り上がればいいんだけど…。
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