ドリームキャストのセーブに欠かせないビジュアルメモリ。これについてtwitterでよく見かける勘違いについて正しい情報を残しておきます。
1.PocketStation(ポケステ)のパクリ
違います。
ビジュアルメモリ
- 1997年2月頃に「メモリに液晶を付けてデータ管理」「ボタンを付けてゲームもできるように」という構想のもと試作(ドリマガ1999年3月19日号[vol.10]インタビュー)
- 1998年5月21日に行われたドリームキャスト発表会にて初お披露目*1
- 本体より先行して1998年7月11日、ビジュアルメモリの「あつめてゴジラ ~怪獣図鑑~」が発売*2
PocketStation
- 1998年2月頃、プレイステーション用のメモリーカードを発展させた小型PDAを開発、仕様をライセンシー各社に公開*3
- 1998年10月のゲームショウにて「PocketStation」発表*4
- 発売日は1999年1月23日(当初は1998年12月23日だったが延期)*5
ポケステが社外向けに公開したのは1998年2月で、その1年前くらいにビジュアルメモリを試作しているところを見てもポケステのパクリというのは間違いです。また、ビジュアルメモリの方が後発と言われることがありますが、同様にそれも上記の発売日の通り間違いです。ポケステの方が後発です。
狭いゲーム業界なのでオープンになっていない情報でも噂レベルで飛び交っていた可能性は否定できません。ただ、どちらかがパクったというよりは、どちらも1996年辺りに大流行したたまごっちやテトリス系の小型ゲーム機の流れを汲んでできたものと考えるのが妥当かなと。
2.電池が切れるとセーブデータが消える
消えません。
ビジュアルメモリはフラッシュメモリを採用しており、電池のない状態でもセーブデータが消えることは基本的にはありません。ただし、過電流や物理的な破損、ショートなどでセーブデータが壊れる恐れはあります。
ビジュアルメモリの電池切れによって失うものは、時計の時間設定くらいでセーブデータへの影響はありません。
この勘違いは恐らくセガサターンと混同していると思います。セガサターンは本体にセーブデータを保存することができましたが、搭載されている電池が切れてしまうとセーブデータが消えてしまいます。そのためフラッシュメモリを搭載しているパワーメモリーが必須でした。
また、1990年代後半に発売した「たまごっち」や「デジタルモンスター」などとも混同してるようにも思います。これらは当時は電池が切れるとデータが消えてしまいました。繰り返しますがビジュアルメモリは電池が切れてもセーブデータは消えません。
3.電池が切れると本体の時計設定画面になる
なりません。
本体の時計設定画面が現れるのは、本体の交換不可能な電池(自己責任の改造による交換は可能)が切れたときです。
ビジュアルメモリの電池が切れていても本体の電池が切れていない場合は時計設定画面は表示されません(初回起動時を除く)。
本体の電池については充電式が用いられており、電源投入中に自動的に充電されます。そのため、一度電池切れになってもしばらく電源を入れておくだけで充電され、再起動時には時計画面が表示されなくなります。ただし、発売から長い年月経っており、電池が劣化して充電できない状態になっている場合がほとんどだと思います。それを解決するには、先にも書いた通り自己責任での改造による交換でしか方法はありません。
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